ソーラーパネルの精密な位置を特定する技術
ソーラーパネル位置特定とオーバーラップ防止技術
本研究では、太陽光パネルの点検業務に対して、ソーラーパネルの正確な位置を特定する方法と、飛行体からの空撮によるオーバーラップ撮影への対処を行う技術を研究開発しました。
ソーラーパネル保安業務では、ソーラーパネルの異常が検出された場合には、そのソーラーパネルを修理するために、ソーラーパネルの経緯度などの位置を特定する必要があります。これに対して、従来の検出装置は、飛行体の測位信号を基にした位置情報で場所を特定しているため、ソーラーパネルの破損は検出できるものの、その破損したソーラーパネルの実際の位置がどこにあるのかを特定することができないという問題がありました。この点は、破損しているソーラーパネルに限らず、何らかの理由により点検する必要があるソーラーパネルの位置を特定する場合にも問題となります。
また、異常を持つソーラーパネルの実際の位置を特定できると、飛行体による空撮では、連続的に撮影を行うため、複数の撮像の中に同じソーラーパネルが何度も撮影されてしまい複数の異常と捉えてしまうという問題も発生しました。
そこで私たちは、各パネルの緯度経度を推定すること、また空撮によるオーバーラップを防ぐアルゴリズムを研究開発し、この課題を解決しました。
この技術では、ソーラーパネルを上方から撮影した画像と測位信号を組み合わせて使用します。画像処理技術を活用して、撮影された各ソーラーパネルの正確な位置を画像上で特定します。これにより、各ソーラーパネルが経緯度情報を持つことができ、異常を持つソーラーパネルの位置を特定することができます。
また、複数の撮影画像から類似する太陽光パネルのペアを特定し、それらの位置関係の類似度と、異常の類似度を用いて、それが同一の対象物かどうかを判定することで、オーバーラップ撮影による問題を解決しました。
ピクセル緯度経度推定ロジック

異常パネル名寄せロジック

当社はこのソーラーパネル位置特定、および空撮によるオーバーラップ撮影を対処する技術に関するアルゴリズムと応用方法を特許で保護しており、技術の競争優位性を確保しています。
特許7533869:名寄せ方法および名寄せプログラム
特許7453643:ソーラーパネルの経緯度特定方法