太陽光パネルの保安業務の省人化・高度化、継続した運用を目指して
私たちは、画像認識AI技術を活用して作業負荷を軽減し、安全かつ効率的な作業環境を提供することを目指しています。
画像AIによる省力化と高度化の実現
具体的には、ドローンが取得した可視光画像と赤外線画像を利用し、画像認識AI技術による太陽光パネル検査システムを研究開発しました。このシステムは、太陽光発電所のO&M事業者向けに設計されており、従来の検査方法よりも早期かつ正確にパネルの異常を特定できます。
従来より行われている太陽光パネルのドローンによる点検は、赤外線カメラを使用した手法が用いられていました。しかし、パネルの汚れやキズなど赤外線カメラで検知できない異常があり、これらの異常は、後にソーラーパネルの発電力の低下だけでなく、損傷の増大に繋がることもあり、パネル交換を伴う異常になる可能性があるため、早期発見したいというニーズがあります。
しかし、点検や保守の現場作業員は、パネルの汚れやキズがないかを現場に赴いて目視にて確認する必要があること、現場に赴いて状況を確認した上で対応を行う必要があり、準備不足の場合は準備後に再度現場に赴くという二度手間になることもあるなど、作業員への負荷が大きな課題となっていました。
当社の研究開発により、従来から使用されている赤外線カメラと、本研究で追加した可視光カメラを使用して太陽光パネルの異常検知を行うハイブリッドシステムを構築いたしました。
従来の赤外線カメラを用いた点検では検出困難だったパネルの汚れやキズも、私たちのハイブリッドシステムを通じてAIが正確に検出します。この技術により、点検作業員の現場訪問頻度を減少させ、目視確認に伴う負荷を大きく削減します。早期発見と迅速な対応により、高額なパネル交換コストを抑制し、作業効率を大幅に向上させます。

赤外線では見えない汚れやキズ
AIとロボティクス技術の進化により、私たちは人的資源の削減とヒューマンエラーの低減を実現します。さらに、これらの先端技術を活用して作業プロセスを再定義し、業務の質を向上させることで、持続可能な未来を支える基盤を築きます。私たちの技術が、より良い明日への一歩となることを目指しています。
事例:太陽光発電所の異常検知サービス(REMOKEN)
電気保安員が太陽光発電所でドローン撮影した撮影データをクラウドのシステムにアップロードしてディープラーニングモデルによるAI解析を実行し、解析結果(異常個所)をWebブラウザに表示させます。電気保安員が現地で目視確認していた点検業務がREMOKENにより精度向上および効率化され、スマート保安を実現します。
REMOKENでは、赤外線画像だけでなく可視光画像についてもAI解析する技術により、太陽光パネルを点検することができます。画像の比較を容易に行える機能により、AIの解析結果と人の感覚とをあわせたパネル点検が実現します。さらに、画像から三次元点群データを生成してAIで比較する技術により、太陽光発電所敷地の地盤の経時変化についても検出することができます。